緑豊かな学園都市、国立にこの建物は建っている。
南北に通る桜並木から国立駅の三角屋根がのぞき込み、そこから南西にのびる富士見通りからは晴れた日に富士山を眺めることができる。
目をひろげると、至る所に見られる自然が造りだした絵は、建物自体をも絵の一部として描きだす。
そんな中で考えられたこの建物は、駅から富士見通りを歩き、背景に富士山を望む中、扇状の柔らかい曲線が行き交う人々の足を止める。
この建物は地下1階と1階が動物病院、2階と3階が賃貸となっている。
外観は曲線のフォルムを随所に用い、建物全体の色をパステルカラーにして柔らかさと優しさを表し、動物病院に訪れる人や動物を出迎える。
東面の壁には動物病院のシンボルともなる肉球をパンチングメタルで模った。
待合室の床は大理石を使用し、各診察室の部屋には壁面収納を造る事で、すっきりとした空間が病院の清潔感を高める。
賃貸の床は大理石調のフローリングを使用し、広いリビングルームを格調高い空間としている。